事例紹介
CASE
冷凍⾷品業界をリードする
持続可能なコールドチェーンを確⽴
冷凍⾷品業界をリードする
持続可能なコールドチェーンを
確⽴

株式会社ニチレイフーズ様
- 業種
-
- 食品製造
- 課題
-
- 輸送効率向上
- ドライバー不⾜
- 在庫管理
- ソリューション
-
- 共同配送
- 保管
- 幹線輸送
- 物流改善
導入効果
- MDC・FDC体制構築により、⼤ロット化・平準化を達成
- 他社との共同配送より、積載効率の向上とCO2排出量削減を実現
- パレット輸送・パレット納品を推進し、ドライバーの負担軽減と品質維持を両⽴

今回インタビューにお答えいただいたのは…
株式会社ニチレイフーズ
物流部 部⻑
磯⽥ 昌広(写真右)様
物流開発グループリーダー
⼆家 志郎(写真左)様


「部分最適」から「全体最適」へ。MDC・FDC⼆層構造で実現する効率的な物流
ニチレイフーズの物流部では、⾃社⼯場や協⼒⼯場で⽣産した商品をお客様が指定する倉庫までお届けする業務を担当しており、⽇々の需給調整はもちろんのこと、将来を⾒据えた物流体制の構築に取り組んでいます。
この物流体制の根幹に⽋かせないのが、当社のグループ会社であるロジスティクス・ネットワークとの連携です。
本格的な物流体制の構築に向けた取り組みは、⾷品物流部(当時)が設⽴された2003年頃から始まりました。
それまでは⼯場や営業⽀社ごとに在庫管理や商品⼿配を⾏う「部分最適」の物流体制でしたが、本社に⽣産・営業の情報を集約し、全社的な視点で在庫管理、物流コントロールをする「全体最適」を⽬指す物流体制へと移⾏。
⼀元的な物流管理体制の構築をスタートさせたのです。
物流改⾰の中核となったのが、「MDC(マザー倉庫)」と「FDC(フロント倉庫)」という⼆層構造の倉庫体制です。
MDCは全国の⽣産⼯場からの商品を⼀時的に集約・保管する基幹倉庫の役割を担い、各エリアのFDCへ⼤ロットで商品を計画的に供給します。
⼀⽅、FDCは各販売エリアにおける配送拠点として、MDCから供給された商品を保管し、お客様からの注⽂に応じてタイムリーに配送するラストワンマイルの機能を果たしています。
導⼊後、物流効率は⾶躍的に向上しました。
従来は⼩ロットでの輸送が多く、物量波動も⼤きかったため⾮効率な状態でしたが、MDC・FDC体制では計画的な⼤量輸送が可能となり、輸送コストの削減や環境負荷の低減につながっています。
実務⾯では、ロジスティクス・ネットワークが重要な役割を担っています。
各FDCへの在庫補充計画の策定から、MDCからFDCへの輸送⼿配、FDCからお客様への配送⼿配まで、物流オペレーションの核⼼部分を担ってもらっています。
メーカーである当社と輸送現場をつなぐコーディネーターとして、ロジスティクス・ネットワークが持つ輸送ノウハウや現場オペレーション⼒が最⼤限に活かされています。


他社との共同配送で物流効率を⾼める
物流効率を⾼める取り組みの1つが、ロジスティクス・ネットワークと連携した共同配送です。
当社だけでは⾞両が満載にならないケースでも、同社のネットワークを活⽤して他社との共同配送にすることで、積載効率の向上、コスト削減、環境負荷の低減を実現しています。
共同配送には2つのパターンがあります。1つはMDCからFDCへの幹線輸送における取り組みです。
たとえば、関東の⼯場から名古屋の倉庫への輸送は当社商品の物量が多いのに対し、名古屋から関東への戻り便では 物量が少なく⾞両の往復バランスが悪いため⾞両確保が難しいという課題がありました。
そこで、東海エリアに⼯場を持つ他社の商品を戻り便に積載する取り組みを開始し、往復で⾞両⼿配することで⾞両確保が容易になり、物流の安定性を向上させることができました。
もう1つはFDCからお客様へのエリア内配送における共同配送です。
複数の⾷品メーカーの商品を積み合わせて配送することで、納品先での荷受回数の削減、⾞両台数の削減によるCO2排出量削減、コスト削減を実現しています。
特に中国・四国エリアでは、2009年からロジスティクス・ネットワークがコーディネーターとなり、複数の冷凍⾷品メーカーが参加する共同配送スキームを構築・運営しています。
こうした共同配送の取り組みは、ロジスティクス・ネットワークが持つ広範な物流ネットワークと調整⼒があってこそ実現できるものです。
物流現場の実情に精通した担当者が、当社のニーズと物流全体の効率性のバランスを⾒ながら最適な運⽤を提案してくれることで、個社だけでは達成できない効率化を実現しています。
このような取り組みを進める上で、ロジスティクス・ネットワークとの定期的なミーティングや⽇々の情報交換は⽋かせません。
補充状況、輸送状況、現場の課題などを常に共有し、アウトソーシングにともなう業務のブラックボックス化を防ぎながら継続的な改善に向けた議論を重ねています。


パレット輸送・パレット納品を実現し、荷下ろし作業の負担を減らす
物流業界におけるドライバー不⾜や労働時間規制への対応は、重要な経営課題の1つです。
この課題に対し、当社では20年以上前からパレット輸送の推進に取り組んできました。
⼯場からMDC、MDCからFDCへの社内拠点間輸送においては、現在ほぼ100%のパレット化を実現しています。
これは冷凍⾷品業界でも先進的な取り組みであり、荷役作業時間の⼤幅な短縮によるドライバーの拘束時間削減と冷凍品質の維持向上という2つの課題解決に貢献しています。
こうした早期からの取り組みが、今⽇の物流危機といわれる状況においても⼤きな強みとなっています。
実際、パレット輸送を推進してきたことが、現在の厳しい環境下でも安定した物流体制を維持できている理由の1つだと実感しています。
⼀⽅、お客様への納品時にはパレットから商品を降ろして⼿積みする「バラ納品」や、納品先のパレットに積み替える作業がまだ多いのが現状です。
背景には、業界内でパレットサイズが標準化されておらず、当社と納品先で使⽤するパレットのサイズが異なっているという構造的な問題があります。
この課題解決のため、パレットのまま納品できる「パレット納品」の拡⼤を⽬指し、ロジスティクス・ネットワークと連携しながら納品先への理解促進を進めるとともに、パレットサイズの違いを吸収するための⾃動積み替え機器の導⼊も進めています。
これらの取り組みを通じて、納品時の作業効率を抜本的に改善し、ドライバーの負担軽減と労働時間短縮を実現することで、持続可能な物流体制の構築に貢献していきたいと考えています。
「サテライトFDC」で持続可能なコールドチェーン確⽴へ
近年の物流環境の変化を受け、当社では現在物流拠点の再編に取り組んでいます。
従来は拠点を集約することで効率化を図ってきましたが、発想を転換し、FDCから距離が離れた遠隔地に⼩規模な在庫拠点「サテライトFDC」を設置する構想を進めています。
この取り組みの背景には、従来のFDCから遠隔地への配送におけるドライバー拘束時間の問題があります。
以前は中継拠点を設けて対応していましたが、中継拠点での夜間作業や、物量波動による中継拠点までの⾞両確保が課題となっていました。
新しい構想では、MDCやFDCからサテライトFDCへは⼤型⾞両で効率的に輸送し、サテライトFDCから最終顧客へはラストワンマイル配送を⾏います。
これにより⻑距離運⾏を抑制し、ドライバーの拘束時間短縮を実現。また、輸送の平準化も図れるため、⾞両の積載効率向上にも貢献します。
この構想の実現には、ロジスティクス・ネットワークの協⼒が不可⽋であり、拠点間の効率的な輸送計画やサテライトFDCの運営における輸送量の増減、効率化といった⾯で専⾨性と現場⼒を活かしたサポートを期待しています。
すでに⼀部エリアで開始しており、今後さらに拡⼤していく予定です。
共働きの増加や外⾷産業における⼈⼿不⾜を背景に、簡便性に優れる冷凍⾷品市場は今後も拡⼤が⾒込まれています。
拡⼤する物量に対応し、お客様へ商品を確実にお届けするためには、強靭なコールドサプライチェーンの構築が不可⽋です。
今後もロジスティクス・ネットワークとの強固なパートナーシップのもと、持続可能性と経済性を両⽴するサプライチェーン構築に邁進してまいります。
ロジスティクス・ネットワークの印象は?
ニチレイロジグループの⼀員であるロジスティクス・ネットワークは、充実した物流網を活かして荷主の多様な要望に応じたサービスを提供してくれます。
⾃社の施設や設備だけでは対応が難しい場合でも、他社のリソースを柔軟に組み合わせた3PL事業者として、最適な解決策を提案してくれるため⼤変助かっています。
過去の当社の物流再編の際には、他社の施設活⽤を含めたシステム構築や在庫管理の⾯で、全⾯的にサポートしていただきました。
このような状況に応じた最適な提案を可能にする⼈的リソースの充実が、ロジスティクス・ネットワークの強みだと感じています。
当社はこれまで、店頭では競合する他社様とも「物流は協働で」という考えのもと、多くの共同物流を実現してきました。
物流を取り巻く環境が今後さらに厳しくなる中で、より多くの企業を巻き込んだ業界全体の物流再編が不可⽋です。
ロジスティクス・ネットワークにはぜひ、豊富な知⾒と調整⼒を活かし、全体のまとめ役を担っていただきたいと期待しています。
お客様紹介
株式会社ニチレイフーズ様
冷凍⾷品のパイオニアとして、おいしさと品質を追究
冷凍⾷品のパイオニアとして、
おいしさと品質を追究
1945年、⽇本冷蔵株式会社(現・ニチレイ)の創業以来、⽇本の⾷⽂化の発展と共に歩んできた冷凍⾷品業界のリーディングカンパニー。
さらなるおいしさを追究してリニューアルを重ねている「本格炒め炒飯®」をはじめ、「特から®」「今川焼」などの家庭⽤冷凍⾷品から、外⾷・中⾷・給⾷産業を⽀える業務⽤商品まで多岐にわたる⾼品質な商品を提供しています。
国内トップクラスのシェアを誇り、研究開発から⽣産、販売、物流に⾄るまで⼀貫したバリューチェーンを通じて、安全・安⼼とおいしさを全国の⾷卓へ届けています。
所在地:東京都中央区築地6丁⽬19番20号
https://www.nichireifoods.co.jp/


※掲載情報は2025年5⽉時点の内容です。