事例紹介
CASE
変化に対応し続けられる物流ネットワークを構築。
「SULS(サルス)」導⼊と共同補充で全国展開を⽀える物流改⾰
変化に対応し続けられる物流ネットワークを構築。
「SULS(サルス)」導⼊と共同補充で全国展開を⽀える物流改⾰
テーブルマーク株式会社様
- 業種
-
- 食品製造
- 課題
-
- 輸送効率向上
- ドライバー不⾜
- ソリューション
-
- SULS
- 共同輸送
- 共同補充
導入効果
- 「SULS」導⼊により⻑距離輸送を中距離化し、ドライバー不⾜に対応
- 複数メーカーとの共同補充で輸送効率向上とコスト削減へ
- 物流企画から実⾏まで⼀貫したパートナーシップで継続的な改善を推進
今回インタビューにお答えいただいたのは…
テーブルマーク株式会社
ロジスティクス統括部 統括部⻑
落合 幸司(写真左)様
ロジスティクス統括部 ロジスティクス企画部⻑
宮武 雄⼀郎(写真右)様
安定的な配送体制とアセットで、包括的に物流体制を構築
当社は北海道から九州まで全国に⽣産拠点を持つ冷凍⾷品メーカーです。
主⼒の⽣産拠点は⾹川県と新潟県にあり、1974年から製造を開始した冷凍うどんをはじめ、お好み焼といった冷凍⾷品やパックごはんなどの常温⾷品を全国のお客様にお届けしています。
ロジスティクス・ネットワークとの付き合いは2015年から始まり、現在10年⽬を迎えました。
当初のきっかけは関⻄エリアでの物流課題でした。
当時、テーブルマークの物流体制は事業規模の拡⼤に追いつけず、多くの課題を抱え込んでいました。
そんな中、年末の繁忙期に配送⾞両が不⾜し、お客様への安定供給に⽀障をきたす状況が発⽣したのです。
緊急事態への対応として、複数の物流会社に相談を持ちかけました。
「前例がない」「調整が困難だ」といった回答がいくつもの企業から届く中、唯⼀「やりましょう」と⼒強く応えてくれたのが、ロジスティクス・ネットワークでした。
ロジスティクス・ネットワークを物流パートナーとして選定した理由は2つあります。
1つ⽬は、安定的な配送体制を整えていることに加え、全国に物流拠点とアセットを保有しているため、当社が抱えていた物流課題を解決できる⼗分な対応⼒を持っている点です。
2つ⽬は、関⻄エリアで業務⽤と家庭⽤の2拠点化に対応できる体制を備えていた点です。
当社では物量の多さや納品先の特性に応じて拠点を分けて運営しており、業務⽤と家庭⽤では配送先やオペレーションが⼤きく異なります。
ロジスティクス・ネットワークは、こうした当社特有のニーズを的確に理解し、両⽅の拠点を包括的にサポートできる体制を提案してくれました。
このときの対応をきっかけに、⻑期的な物流パートナーとしての協業がスタートしました。
⼀部路線に「SULS(サルス)」を導⼊し、⻑距離輸送に多様な選択肢を確保
当社では、将来のトラックドライバー不⾜や労働時間の規制強化による「物を運べなくなるリスク」に備えるため、2018年頃から段階的かつ継続的に物流改⾰に取り組んできました。
当社は全国に⽣産拠点や倉庫があり、拠点から拠点へ1台のトラックが直送で荷物を運ぶ輸送⽅法をベースとしてきました。
しかし、四国の⼯場から関東の配送センターに輸送するなど、路線によっては⻑距離輸送になってしまうため、ドライバーへの負担が⼤きいという課題がありました。
加えて、当社の製品のみでトラックを満載にする必要があるため、本来その時点では不要な荷物を無理に混載対応するなど、輸送の頻度やタイミングが限られる点も課題でした。
これに対し、ロジスティクス・ネットワークから提案されたのが「SULS」という輸送⽅式でした。
これは⻑距離を複数に区切り、中間地点で荷台をスイッチして運ぶ⽅式です。
単に中間地点に倉庫を設けて⼀時保管するのではなく、効率的に荷台をスイッチして⽬的地まで運ぶことで、追加コストを抑制しながら持続可能な輸送を実現できる点が特⻑です。
従来路線の⼀部を「SULS」による新ルートに切り替えたことで、ドライバーの拘束時間を短縮できただけでなく、中間地点での積み合わせも可能になり、積載効率が向上しました。
さらに、天候不良や交通渋滞などの影響を受けにくく、より安定した輸送体制の構築につながっています。
当社では、状況に応じて最適な輸送⽅法を選べるように常に複数の選択肢を備えておくことが、変化の激しい物流環境を乗り越えるためには重要だと考えています。
従来の⻑距離輸送も継続しながら、「SULS」の導⼊が可能になったことで、物流のレジリエンスが向上し、繁忙期の配送集中の緩和や、⼩ロット・多頻度化する納品ニーズにも柔軟に対応できると考えています。
他社と連携した「共同補充」で物流効率化を⽬指す
そして、さらなる物流効率化を実現するために、現在本格導⼊に向け検討を進めているのが、各エリアの配送拠点(FDC)への「共同補充」です。
従来、各メーカーは⾃社の物量だけで補充輸送の計画を⽴てるため、物量がまとまるまで出荷を待つ必要があり、配送頻度を上げられず、結果的に⽋品リスクを避けるため、各拠点で過剰に在庫を抱える状況が課題となっていました。
この課題に対し、ロジスティクス・ネットワークが中⼼となって進めているのが、複数の⾷品メーカーが参画する「共同補充」という仕組みです。
関東エリアに共同の基幹倉庫(MDC)を設け、そこに各メーカーが製品を保管し、MDCから各エリアのFDCへ複数メーカーの製品を積み合わせて補充輸送を⾏います。
「共同補充」により、これまでは当社単独で満載にして輸送しなければならなかったのが、他社の商品と合わせることで⾼頻度での運⾏が可能になります。
補充頻度が上がることで、各拠点の在庫⽔準を低く抑えられ、サプライチェーン全体のコスト効率が向上することが狙いです。
⾷品メーカーにとって、競争は商品で⾏うものです。
物流の部分は⾮競争領域であり、メーカー同⼠が協⼒して⽣産性を上げていくことで、将来の持続性を確保できると考えています。
ロジスティクス・ネットワークには、豊富な知⾒と調整⼒を活かし、業界全体の物流再編におけるまとめ役を担っていただきたいと期待しています。
変化に対応できるパートナーシップを築き、持続可能な物流を実現
今後の物流環境は、ドライバー不⾜などを背景に、ますます厳しくなることが予想されます。
2030年には輸送能⼒が約3割不⾜するという予測もあり、私たちは多様な輸送⼿段や体制を柔軟に組み合わせ、常に最適な打ち⼿を講じていく必要があります。
他社と協調すべき領域と、⾃社の独⾃性を守るべき領域の両⽴をいかに実現するかが、今後の物流戦略における⼤きなテーマです。
物流改⾰に終わりはありません。
それは、ガウディの志を継いだ建築家たちが、今もなお建設を続けるスペインのサグラダ・ファミリアに重なります。
担当者や解決すべき社会課題は時代と共に変わっても、持続可能な物流を追求するという想いや姿勢は継承されていきます。
ロジスティクス・ネットワークは常に⼀歩、⼆歩先の課題を⾒据えて具体的な打ち⼿を講じてくれるため、当社にとって不可⽋なパートナーです。
こうした共創関係があるからこそ、⻑期的な視点に⽴った取り組みが実現できると確信しています。
そして、信頼関係を深めながら、物流を取り巻く課題に対して仮説と検証を繰り返しながら共に歩み続けていきたいと思います。
5年後、10年後も安定的かつ持続可能な物流を維持していくため、これからも⽬標を共有し、両社で⾜並みを揃えながら未来へ進んでいきたいと考えています。
ロジスティクス・ネットワークの印象は?
ロジスティクス・ネットワークは、当社の事業特性を深く理解し、定性的・定量的な根拠に基づいた構造的な企画を提案いただけます。
単なる外部の物流パートナーというより、まさに当社の物流部⾨の⼀員のような存在だと感じています。
毎年の物流戦略策定の際には、常に当社の考えに真摯に⽿を傾け、両社で丁寧にすり合わせを⾏うプロセスを⼤切にしてくださいます。
この信頼関係こそが、⻑期的な視点での物流改⾰を可能にしていると考えています。
また、困難な課題に直⾯した際も、実現可能な⽅法を粘り強く検討し、解決策を⾒出そうとする姿勢が印象的です。
現場に精通した「現場⼒」と、多様な利害関係者を巻き込む「調整⼒」は、数々のプロジェクトを成功に導いてきた原動⼒だと感じています。
お客様紹介
テーブルマーク株式会社様
「⾷事をうれしく、⾷卓をたのしく。」⼼豊かなひとときを、全国の⾷卓へ。
「⾷事をうれしく、⾷卓をたのしく。」
⼼豊かなひとときを、全国の⾷卓へ。
2024年に発売50周年を迎えた代表製品「カトキチさぬきうどん」をはじめ、冷凍お好み焼「ごっつ旨いお好み焼」、常温のパックごはん「国産こしひかり」など、多彩な商品を展開しているテーブルマーク様。
⾹川県と新潟県の主⼒⼯場に加え、全国の⽣産拠点ネットワークを活⽤し、⼀貫して安全・安⼼にこだわった製品づくりを徹底しています。
商品のおいしさはもちろん、⼤切な⼈と囲む⼼豊かなひとときを⾷卓に届けています。
所在地:東京都中央区築地6-4-10